波力発電特許の中の物理

「橋元の物理」も3/4が終わりました。現在「波」について勉強しています。その関係で「波力発電」に関する日本語明細書を読んでみたのですが、思った以上に勉強になったのでシェアさせていただきます。

参考にした明細書:三井造船株式会社 特開2018-53802
         「波力発電装置及び波力発電装置の設置方法」

【課題】発電効率を低下させることなく比較的簡単に設置することができる波力発電装置および波力発電装置の設置方法を提供する。
【解決手段】立設状態で水中に係留される支柱2と、この支柱2に沿って波により上下運動するフロート3と、このフロート3と支柱2との相対運動を利用して発電する発電機構4とを備える波力発電装置1であり、支柱2に中空体14を設置して、波力発電装置1を水中に配置する際に中空体14に海水を注水して注水状態とする。

重要な部分は、2の支柱、3のフロート(名前の通り浮き輪の役割をする)、4発電機構、14中空体(中が空の物体)です。

「この支柱2に沿って波により上下運動するフロート3」とありますが、要はドーナツの穴にお箸を突っ込んで上下運動させるような感じです。(下図参照)3のフロートが波の上下運動で上下し、それを利用して発電します。

でも2の支柱まで波の上下運動で上下して、プカプカ浮いてしまったら意味ないですよね?

【0027】
注水状態の中空体14は、中空体14の質量と中空体14に働く浮力とが等しくなる中性浮力状態に調整されることが望ましい。本明細書において中性浮力状態とは、中空体14の水中重量がゼロとなる状態であり、水中で任意の位置に中空体14を配置したとき中空体14が浮きもせず沈みもしない状態をいう。(以下略)

ここで問題になるのが「浮力」です。物体が水などに「浮いている」状態は、その物体に働く重力と浮力が釣り合っているということです。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E5%8A%9B

本明細書では、2の支柱(さらに繋がっている中空体14など)を中性浮力状態で、浮きもせず沈みもしない状態にするために、中空体14に海水を取り込みます。そうすることで中空体14の質量が増え、14に働く浮力よりも重力が大きくなり、支柱2及び14中空体は沈みます。

【0036】
支柱2に注水状態の中空体14が設置される構成により、支柱2の固有周期Tを例えば20secなどに増大させることができる。波の周期の4~12secに対して、支柱2の固有周期T=20secは十分に大きくなるため、支柱2は波に同調して上下運動することがほとんどなくなる。波に同調して上下運動するフロート3に対して支柱2は水中でほとんど停止した状態となるので、支柱2とフロート3との上下方向における相対運動が比較的大きくなり、発電効率を維持することができる。

次に周期の話が出てきます。中空体14に海水を入れることで、支柱2の固有周期は、海水を入れない状態よりも大きくなります。

周期が大きくなるとは、どういうことなのでしょうか?

出典:http://www9.wind.ne.jp/fujin/diy/denki/audio/onpa.htm

周期とは、波が一回振動する(波長1つ分を進む)のにかかる時間です。周期が大きくなれば、一回振動するのにより長い時間がかかります。例えば、支柱2の周期が20秒で、波の周期が4秒だとすると、支柱2の周期は波の周期の5倍の長さです。つまり、支柱2が1回振動する間に、波は5回振動することとなり、支柱2が「ほとんど停止した状態」と見なすことができるようになります。

次に発電原理についてです。下図は発電機構4の内部を表しています。

この図を見て、何かひらめきませんか?そう、電磁誘導です。

【0020】
支柱2に対してフロート3が相対的に上下運動すると、発電機構4は電磁誘導により発電を行なうことができる。発電機構4の構成は上記に限定されず、支柱2に対するフロート3の上下運動を利用して発電する構成であればよい。(以下略)

非常に短い明細書で、数式が出てくる箇所は理解できなかったのですが、勉強した物理・化学の内容を活かして大枠を把握することができました。

長くなったので、学習記録は明日改めてまとめます。

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